
ただし、主婦が開業届を提出して個人事業主になると、その時点で収入がなくても夫の扶養家族から外される場合があります。
個人事業主として開業するタイミングと、注意点についてまとめました。
開業届を提出するタイミング
個人事業主として事業を開始したら、開業届「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署に提出することになっています。
開業届の期限は「事業開始等の日から1ヶ月以内」だけど・・
国税庁のホームページ(→【国税庁】新たに事業を始めたときの届出など)によると、「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出期限は事業開始等の日から1ヶ月以内となっています。
「趣味がだんだん収入に繋がってきた」とか、「ただのお小遣い稼ぎが、だんだん事業っぽくなってきた」なんて場合には、一体いつが事業開始の日なのか、分かりませんよね。
そんな場合、「事業開始等の日」は、自分で「この日にしよう!」と決めてもOKなのです。
収入がないうちは、開業届の意味はない
在宅のWebライターのように、ただのお小遣い稼ぎなのか、事業と呼べるものなのかあいまいな場合は、急いで開業届を提出する必要はありません。
急いで開業届を提出すると、損することも!
夫の扶養家族である主婦が開業する場合、注意してほしいことがあります。
会社には「130万円の壁」と呼ばれる社会保険の扶養に関する規定があります。
これは、妻の収入が130万円を超えたら(夫の会社の)社会保険の扶養を外れ、国民年金と国民健康保険に妻自身が加入しなければならないというもの。
多くの会社では妻が個人事業主でも、収入が130万円を超えなければ社会保険の扶養に入れてくれます。でも、個人事業主になったとたんに扶養から外すという会社もあるので注意が必要です。
開業届を提出する前に、あなたの夫の会社の健康保険組合の規定をしらべてみて下さいね!
収入が増えたら開業届を提出しよう
開業届の提出が意味を持つのは、事業での収入が増えてからです。収入が増えると、税金を支払う必要が出てきます。
専業主婦の場合、事業の年収が38万円を超えたら確定申告が必要です。パート(または会社勤め)の主婦の場合、副業の年収が20万円を超えたら確定申告が必要です。
※確定申告とは、1年間の収支を報告し、税金額を確定する制度のこと。青色申告で確定申告すると、税金の控除が受けられます。
確定申告には、所得控除のない白色申告と、10万円または65万円の所得控除が受けられる青色申告とがあります。
控除額の多い(税金が少なくて済む)青色申告をするためには、事前に開業届「個人事業の開業・廃業等届出書」と「所得税の青色申告承認申請書」を提出しなくてはなりません。
「所得税の青色申告承認申請書」の期限にも注意!
収入が増えて確定申告が必要になった場合、青色申告をするなら「所得税の青色申告承認申請書」を事前に税務署に提出する必要があります。
でも「所得税の青色申告承認申請書」は、思いついたらいつでも提出できるというものではありません。
「所得税の青色申告承認申請書」の提出期限
「所得税の青色申告承認申請書」の提出期限は、【国税庁】新たに事業を始めたときの届出などに以下のように記載されています。
原則、承認を受けようとする年の3月15日まで
(その年の1月16日以降に開業した場合には、開業の日から2ヶ月以内)
そして、確定申告するには対象となる年度の1月1日~12月31日までの帳簿が必要です。
そして、その年の1月1日からしっかり帳簿付けを始めること!
簡単そうな白色申告でも良い?
年度末になって「思いがけず年収38万円超えちゃった!開業届や青色申告承認の手続きをしてないから、とりあえず白色申告をしよう。」というのもアリ。
かつて白色申告は、帳簿付けの義務がなく簡単でした。しかし、平成26年1月から、白色申告にも帳簿付けが義務づけられるようになりました。
お小遣い稼ぎのつもりでも、収入が3万円/月(他にパートなどの仕事をしている場合は2万円/月)を超える可能性があるのなら、帳簿付けを始めるようにしましょう。
※「帳簿なんて分からない!」と高いハードルに感じるかもしれませんが、今は便利な会計ソフトがあるのでとても簡単です。
無料で使える会計ソフトもあるので、まずは試してみると良いですよ!詳しくは以下の記事をご参照下さい。↓

収入が増えるまでは白色申告を活用し、開業するタイミングを見極めましょう。
私の場合

前月の収入が、1ヶ月で3万円を超え「もしかしたら、このまま3万円を超える月が続いて、年収38万円に届くかも?」と思った時に開業届を提出しました。
白色申告で確定申告をしてもメリットがないので、最初から複式簿記で青色申告に挑戦することにしました。
また、私の夫の会社の社会保険は、個人事業主でも130万円までは扶養に入れるので、問題なく開業しました。
ああ、私は仕事してるんだ!ってやる気が出たよ!
開業届を提出したら、突然やる気がわいてきました。それまでは「お小遣い稼ぎ」だったサイト作りが、「仕事なんだ!」と思えるようになりました。
開業の手続き
さて、いよいよ開業です。
開業に必要な書類と書き方、提出方法は以下の記事をご参照ください。↓
