
「還元率25%」と強調されて報道されている、マイナポイント。マイナンバーカードを取得しキャッシュレス決済で買い物をすれば、国からポイントが付与される制度です。
「還元率25%ってすごい!」と思ってしまいますが、ポイントの上限はたったの5,000円。どんなに沢山お金を使っても、最大5,000円しか還元されない制度です。
マイナポイントとは
2019年10月に導入された、消費税10%の増税。これに伴い消費が落ち込むことを懸念した政府は、キャッシュレス決済で購入額の5%を還元する制度を始めました。
しかしこのキャッシュレス決済の5%還元には期限があり、2019年10月1日(火)~2020年6月30日(火)までとなっています。キャッシュレス決済の還元が終わった後の消費落ち込みに対応するため、政府が次に考えたのが「マイナポイント」制度です。
政府が公開しているマイナポイントの解説ページはこちらです。→【総務省】マイナポイント
マイナポイントの期限
マイナポイント制度の実施時期は2020年9月~2021年3月末までの7ヶ月間の予定です。
マイナポイントの還元率
マイナポイントの還元率は25%です。ただし還元されるポイントの上限は5,000円です。
最大で20,000円までの買い物に利用することができ、それ以上の買い物はポイント還元の対象外となります。
マイナポイントの取得方法
総務省の解説ページ(【総務省】マイナポイント)に詳しく記載されていますが、マイナポイントを取得するためには、色々な準備が必要です。
マイナポイントの取得方法を簡単にまとめると、こんな感じです。↓
1. マイナンバーカードを取得する
2. マイキーIDを取得する
マイキーIDとは、マイナンバーカードとキャッシュレス決済を紐付けるためのIDです。パソコン・スマートフォン・郵便・まちなかの証明写真機から申請できます。
※スマートフォンで取得する場合には、公的認証サービス対応のスマートフォンが必要です。
※パソコンで取得する場合には、ICカードリードライタが必要です。
3. キャッシュレス決済で買い物または、チャージするとマイナポイントが付与される
マイナポイントの問題点
このマイナポイントを「ぜひ利用したい!」という方はどのくらい居るのでしょうか。少なくとも私は「たった5,000円のために、こんな面倒くさいことやってられるか!」と思いました。
制度が複雑
一番の問題点は「制度が複雑で面倒くさい」ことです。マイナポイントをもらうためには、マイナンバーカードを取得するだけではなく他にも色々な準備が必要です。
そもそも「複雑で面倒くさそうだから、説明文を読む気になれない」という人も多いと思います。
「還元率25%」と言うより、最大5,000円の還元
テレビのニュースで政治家が「還元率25%なんです!インパクトがある高還元率なので、マイナンバーカードの普及に役立つはずです。」と得意げに話していました。
でも還元率25%なのは購入額が20,000円までの話です。確かに、20,000円の商品を購入して5,000円のポイントが還元されれば、還元率は25%です。
しかし還元ポイントの上限額が5,000円なので、100万円の商品を購入しても還元されるポイントは5,000円です。この場合の還元率は0.5%です。あまり嬉しくないですよね。
スマートフォンで申請する場合、公的認証サービス対応のスマートフォンが必要
スマートフォンでマイナポイントのID(マイキーID)を申請するためには、公的認証サービス対応のスマートフォンが必要だそうです。
公的認証サービス対応のスマートフォンの一覧は、こちらです。→【公的認証サービス】マイナンバーカード対応NFCスマートフォン一覧
対応しているスマートフォンを持っていない方は、パソコンでマイナポイントのID(マイキーID)を取得するか、郵便、まちなかの証明写真機から申請できます。
パソコンで申請する場合、ICカードリードライタが必要
パソコンでマイナポイントのID(マイキーID)を申請するためには、ICカードリードライタが必要です。
ICカードリードライタの価格は、2,000円くらいです。私は確定申告をするためにICカードリードライタを購入しましたが、期間限定のマイナポイントのためだけに購入する気にはとてもなれません。

各家庭に1台、ICカードリードライタを無料で提供してくれたらやる気が出るかもしれませんね。
マイナンバーカードを使えるシステム構築が先では?
マイナポイントのために政府が使う予算は、2,500億円だそうです。私は「こんなつまらないポイント還元に使う予算があるなら、もっと他にやることがあるんじゃないの?」と言いたいです。
そもそもマイナンバーカードは、行政の効率化や、行政手続きの利便性の向上のために作られたはずです。マイナンバーカードを使うために複雑な準備が必要だったり、期間限定の恩恵しか受けられないのでは目的を果たせていません。
せっかく消費税を増税したのに、こんな一時的な経済対策に使ってしまうなんて本末転倒ではないでしょうか。
国民皆が「マイナンバーカードがあればこんなに便利!マイナンバーカードが欲しい!」と思えるようなシステムを作ることに、まずは税金を使うべきだと私は思います。
例えば、全ての医療機関のカルテをマイナンバーで管理して、マイナンバーカードを持って行けばどの病院でも病状を把握できるようにしたらどうでしょう。薬局にお薬手帳を持参しなくても、マイナンバーカードを機械にかざすだけで処方薬が記録される、なんていう使い方も出来そうですよね。
マイナンバーカードを使ってオンライン選挙が出来れば家で投票出来て便利だし、選挙に掛かる無駄な税金が減ると思います。
まずはマイナンバーカードが欲しくなるような、便利なシステムの構築に税金を使って欲しいと思います。
※2020/9/10追記
暇だった日に「やっぱりマイナポイントに申し込んでおこうかな?」と思い立った私。でも調べてみて、やっぱり止めました。詳細はこちら↓

誤植の指摘です。対象期間を2020年9月から7ヵ月と解説している所で、期間の終点を同じ年である2020年3月となっています。2021年の誤りだと思います。
XYZさん、ご指摘有難うございます。修正しました。